道祖土教養塾 2023年4月

「ファーストプライオリティー」

最近流行っている言葉らしい。

「最優先」くらい日本語で言えよ、という人もいるが、私はこの言葉の響きが好きだ。

プという軽やかな音、オという柔らかい音の間に、ラ行の歯切れの良い音が挟まってる。

耳の奥に響くような言葉。

そして聞くたびに、山本文緒さんの小説「ファーストプライオリティー」を連想するのだ。

みんな、生まれながらにそれぞれに役割やポジションはある。

母と父の子。

祖父母の孫。

上に兄、姉がいるかもしれない。

そして、歳を重ねるごとにその役割やポジションは増えていく。

自分が望もうとも望まないとしても。

私は二児の母で妻であり、

長島先生の講座の受講生でおむつなし育児アドバイザーであり、

児童文学を学ぶ人で英語教室のチューターであり、

元フィットネスクラブ従事者でやり投げてた人であり…

書き連ねていたらキリがなくなるだろう。

30年以上生きていたら、誰しもそうに違いない。

そんな中で、今自分が一番大事にしたい自分は何か。

今の私はなんと言っても「母である自分」だ。

他のものは休んだり辞めたりできるけど、こればっかりはそうもいかない。

母でいることは嬉しいし楽しいけれど、

母でい続けることって、時にしんどいし辛いし、決して楽しいだけじゃない。

周りからは「母でいる前に自分は自分」という声も聞こえてくるし、その通りだとも思うけど、

今の自分を構成している大部分を占めているのは、やはり「母である自分」なのだ。

では、それを最優先にしてどうなりたいのか。

この問いがずっと不明確だった。

それが今日の道祖土教養塾でクリアになった。

政(統治)=食・兵・信

これは家庭にもそのまま使える教えではないか。

家庭が円満になるためには、

1.しっかり栄養をつけよう

2.体力をつけよう

3.信頼関係を築こう

そして優先順位としては3・1・2の順、と私は受け取った。

中でも最も腑に落ちたのは、長島先生の翻訳・補足にあった

「教育目的が民の自立」ということ。

そう、子育ての最終目標って子どもが自立することだ。

親がすることって、自立するためのサポート。

そして親自身も、子どもやパートナーに依存することなく

自立していくことが大切ではないだろうか。

娘が成人するまであと12年。息子は16年。

その頃には私のファーストプライオリティーも変わっているのだろう。

子どもたちが自信を持って「いってきます」と飛び立てるように

日々の「おかえりなさい」で、あたたかく迎えたいと思う。

2023年4月8日

わがつまよしの

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